Spoonful Magic 1965年1月、結成直後スプンーフルはNight Owlのオーナー、ジョー・マラの好意で初ステージをしている。メンバーはジョン・セバスチャン、ザル・ヤノフスキー、スティーヴ・ブーン、そして初期のドラマーのジャン・バークナー (Jan Buchner) だが演奏は少々雑な面があり、 オーナーやメンバーの満足は得られなかった。その後、ドラマーをジャンに代わりジュー・バトラーが加わり薄汚いアルバート・ホテルの地下室で練習を重ね、再びナイトアウルに出演するようになった。このライブにはボブ・ディラン、ジム・マッギン、フィル・スペクターらがかけつけ、その評判はヴィレッジじゅうの話題をさらった。 Owner Joe Mara's reaction was, "I heard it all,and dose guys don't make It" Live At The Night Owl Cafe |
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The Lovin' Spoonful (Varese Vintage, Cancelled: September 30, 1999 )
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はじまりは、レコード・コレクターズ3月&4月号(1999)のビリーヴ・イン・マジックの広告。 - 抜粋 - 今年、10周年を迎える当社の一押しはやはりコレ! 上記の収録曲リストはYahoo! Music Shoppingでゲット。 現在も"Lovin Spoonful"で検索すると24件目に表示される。そして9月30日の発売予定が12/25日に修正されている。 発売元はVarese Sarabande RecordsのVareseVintageからとなっていて、最近発売したニュー・スプーンフルのライブ『Live At The Hotel Seville』と同じレーベルである。 推測だが..ニュー・スプーンフル盤とのセールス・バッテングを恐れて、クリスマス・セ−ル後の発売に延期しただけかもしれない。 だが、どこからもリリースの情報はない。(1/6/2000現在) 要チャックはVareseVintageのUpcoming Releases 残念ながら未発売になったままだが、アルバム『Live At The Night Owl Cafe』のオリジナルやカヴァーの曲目リストが残されている。 |
演奏曲目について |
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Arthur "Big Boy" Crudup 1949-52 |
My Baby Left Me Written by Arthur Crudup |
スプーンフルの未発表曲。オリジナルはブルース歌手のアーサー・クルーダップ、エルビス・プレスリーのデビュー曲『That's All Right Mama (1956)』の作者。『My Baby Left Me』のお薦めのカヴァーはエルビス (Elvis '56)とC.C.R(クリーデンス・クリアウォター・リバイバル)の5th アルバム『Cosmo's Factory (コスモズ・ファクトリー)』収録曲。 | ||
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Bobby Troup 1946 |
Route 66 (Get Your Kicks 0n) Written by Bobby Troup |
未発表曲。テレビ番組『ルート66』のテ−マ曲やナット・キング・コールで知られているが、オリジナルは1946年ボビー・トールプのピアノ・トリオで吹き込みヒット・チャート11位。トールプは映画『5つの銅貨(The Faive Pennies)』に出演している。お薦めのカヴァーはローリング・ストーンズの1stアルバム『The Rolling Stones』(1964)。 | ||
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Hollywood Argyles 1960 |
Alley Oop Written by Dallas Frazlert |
初期の代表的なレパートリー未発表曲。"アーリー・ウープ、ウー、ウ・ップ!"のコーラスが楽しく、ザル・ヤノフスキーのハシャギようが見える気がする。オリジナルはドュウ・ワップ・グループのハリウッド・アーガイルズ、1960年7月のNo.1ヒット。お薦めのカヴァーはビーチボーイズの『Beach Boys' Party! 』 | ||
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Jim Jackson 1928 |
Wild About My Lovin Written by Jim Jackson |
アルバム『Do You Believe in Magic』Side2-2曲目(クレジットはJ.Sebastian)やソロ・アルバム『ターザナ・キット』(Trad. Arr. by J.Sebastian)に収録。J-Bandとの最新のアルバム『Chasin' Gus' Ghost』でも再録、ボーカルはGeoff Muldaur、クレジットは- Jim Jackson. Adaption & Arrangemeny by Sebastian - となっていて.. 最近このアルバムにつながった。 | ||
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Traditional |
My Gal Written by Trad. |
アルバム『Do You Believe in Magic』Side1-4曲目(J.Sebastian - E.Jacobsen)、2ndシングルのB面やソロ・アルバム『リアル・ライブ』(Geoffrey Muldaur - Erik Jacobsen - Steve Boone)に収録のフォーク・ブルース・ナンバー。左のアルバム、Jim Kweskin & The Jug Bandのファースト・アルバム(1963年)収録曲がベースになっている。 | ||
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Del-Vikings 1957? |
You Say You Love Me |
未発表曲。広告からするとティム・ハーディンの1965年録音の未発表曲(アルバム『Hang On to a Dream』収録)と考えられるが、『Come Go with Me』(1957年)のヒットで知られるドゥワップ・グループのデル・バイキングスも同名の曲をレコーディングしている。只今、 調査中。 | ||
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Chuck Berry 1959 |
Almost Grown Written by Chuck Berry |
エレクトラ・レコードからでたアルバム『What's Shakin』(1966)収録カヴァー曲、チャック・ベリーのオリジナル曲は1959年5月全米トップ40内にランク。この曲との出会いは1973年、20代のジョージ・ルーカル監督の映画『アメリカン・グラフィティ』挿入歌、映画のキャッチ・コピーは"Where were you in '62 ?"。 | ||
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Lovin' Spoonful 1965 |
Good Time Music Written by John Sebastian |
ステージのクライマックスに相応しいオリジナル・ロックン・ロール。レコーディングは1965年の始め頃『What's Shakin』(1966)のSide1-1曲目に収録。ライノから発売されている『Anthology 』(1990)、フランス発売の『French 60's e.p. collection (2CD)』などでも聴くことができる。 | ||
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Lovin' Spoonful 1966 |
Didnt Want To Have To Do It Written by John Sebastian |
最後はスロー・ナンバーの『つらい僕の心』、たぶん?アンコールなのだろう。4枚目のシングル『心に決めたかい?』(1966年4月)のB面、2ndアルバム『Daydream』収録されているオリジナル。ソロ・アルバム『Welcome Back』や最近発売されたジョンのいないニュー・スプーンフルのライブ盤、ジェリー・イエスターのボーカルも楽しめる。 |
オンステージのスプーンフルの演奏は無秩序そのものだった。ザルはステージ中を飛び回り、彼のギター、ギルド・サンダーバード(愛称シャーク)のギターヘッドにはゴム人形がぶら下がり、火のついた煙草を挟んだまま所狭しと飛び回り、聴衆やメンバーを刺激していた。ジョンは、覚えたばかりの新しい歌詞を思い出しながら歌おうとしたり、自分の感情を観客に移入しようとしても、結局、ザルの引き起こした騒ぎに巻き込まれてしまう。そして、最終的には、4人全員がステージの上で楽しんでしまう結果になる。 当時のスプーンフルのサウンドはロック風味のジャグ・バンド音楽や、ストーンズやヤードバーズみたいに、チャック・ベリーを少し違ったやり方でやっていた。そもそも前提はトラディショナルでブルージーなスタイルと、その頃まったくおそまつだったエレクトリックな音楽を混ぜあわせることだった。 ジョンはその後インタビューで『僕達は決して新しいレコードのサウンドを前のものそのままで行こなうなんて事はしない。コピーするという事は、それを良いものだと認め最高だと信じた事だ。しかし、それは現状に満足した事であり、進歩の止まった事を意味する。僕達はけしてそんなことはしない。だから僕達のレコードからは常にすべての人が新鮮さを感じるのさ』と答えている。 ヴィレッジは激動していた。状況は変わりつづけていた。そして、スプーンフルがヴィレッジを去るころにはロックンロールはごく当たり前のものになっていた。 Special Thanks (解説引用): |